2018年11月4日
NPO 小笠原自然文化研究所
2018年10月、小笠原諸島父島宮之浜において高水温によるイシサンゴ類の白化現象が観測されました。このような白化が観測されたのは2009年以来、9年ぶりです。白化率が高いのは父島宮之浜の水深1〜2m付近で、サンゴ全体の30%が白化している状態でした。主な白化種は高水温の影響を受けやすいコモンサンゴ類です。その他の小笠原周辺海域からは30%を超える様な顕著な白化情報が無いため、小笠原全体としては白化の初期段階にあると考えています。今シーズン、父島周辺では夏季の水温が例年より高く、10月に入っても低下しませんでした。11月は例年水温が低下する季節ですので、白化したサンゴも回復する可能性があります。しかし、高水温状態が続くと、周辺海域や他のサンゴ種にも白化が進行する可能性があります、当研究所は観測を続け、回復や被害状況を明らかにするよう努めていきます。