2011年

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これまで東京に搬送し、東京都獣医師会に所属する有志の獣医師さんにお願いした小笠原ネコは227頭。その1頭1頭のネコを、島民のみなさんにペイントしてもらい「ネコタイル」として展示していますが、このタイル絵を写真に撮って東京の動物病院の先生のもとへ届けることにしました。なかなか小笠原まで足を運んでいただくことのできない動物病院のスタッフのみなさんへ、これまでの活動協力への感謝を込めて・・・、少し遅くなりましたが世界自然遺産登録の報告とともに届けます。

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先週土曜日に開催した“島であそび隊”。たくさんの体験とレクチャーのあと、じっくり時間をかけて子供たちに描いてもらった「ネコタイル」を『ねこまち』に展示しました。『ねこまち』の小さな看板には、ワークシートの答えも貼り出してあります。今日出港のおがさわら丸で内地に遊びに行ってしまう子供もいると思いますが、「ネコタイル」はしばらく展示しますので家族みんなで見に来てくださいね。

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上:ネコ捕獲カゴを背負ってみる
下:センサーカメラ撮影写真の照合に挑戦

台風6号の動きが気になるなか、BIO(ボニンインタープリター協会)主催“もっと知り隊−島で暮らすネコ編−;山のネコを東京の動物病院に届けよう”を開催しました。参加者は、島の小学1年生から中学2年生までの19人。ネコを飼っている子供や飼いたいけど飼えないネコ好きの子供たちが、ふだん入ることのできない『ねこまち』の見学を楽しみに参加してくれました。
プログラムは、小学3年生の朗読による「マイケルの大引っ越し」の紙芝居から始まりました。スライドによるレクチャーでは、ネコの運動能力の高さや小笠原の野生動物とノネコの関係、山で暮らすネコの調査方法や捕獲方法、ねこまちの仕事を紹介。30分以上にわたるレクチャーも飽きることなく集中して聞いていました。その後は会場を外に移し、グループに分かれて体験学習。捕獲隊のお兄さんからネコ捕獲カゴの仕組みを聞いたり、センサーカメラやトランシーバーの使い方の指導を受けて体験。またセンサーカメラで撮影されたネコの写真と捕獲されたネコの写真照合にも挑戦しました。『ねこまち』では給餌とマイクロチップの確認を体験。ノネコに威嚇されてびっくりしたり、『ねこまち』産まれの子ネコに感激したりと、盛りだくさんの体験となりました。午後からは再び室内で、おがさわら丸での搬送から東京の動物病院での馴化の様子を紹介し、ひとりひとりがそれぞれの思いを込めたネコタイルをペイントして終了しました。
島の子供たちに向けたノネコ捕獲事業の説明は今回がはじめてでしたが、野生動物を守る取り組みや、海を越えた東京でも多くの協力者がいることを子供たちなりに理解してくれたようでした。 BIOのみなさま、ご協力ありがとうございました。

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『野鳥もネコもすくいたい!〜小笠原のノラネコ引っ越し大作戦〜』(著者;高橋うらら)が発売されました。 第1章 から 第8章 で構成され、2005年春、母島南崎ではじまったノネコ;マイケルの捕獲から現在の活動状況までが詳しく語られています。東京の動物病院での馴化の様子や新しい飼い主さんとの生活も紹介されています。もちろん『ねこまち』も・・・。
漢字には読み仮名がふってあるので、夏休みにぜひ子供たちも読んでみて下さい。それから多くの島の人に読んでもらいたい本です。 株式会社 学研マーケティング 発売 『野鳥もネコもすくいたい!』 1,200円

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28日夜、東京都獣医師会の『野生動物対策委員会』が東京青山の事務所で開催されました。この会議において、小笠原諸島の希少野生動物保護対策であるノネコの受け入れは議題のひとつであり、毎年小笠原からの経過報告が求められます。小笠原でネコ対策にあたる『小笠原ネコに関する連絡会議』の関係者全てが出張することはなかなか難しく、今回は初めてインターネットTV電話を使用し、内地に行けなかったスタッフも遠隔地から参加するかたちで行われました。小笠原からは山域捕獲や集落対策の進行状況とアカガシラカラスバト・海鳥の繁殖状況を報告し、今後も引き続きノネコ受け入れの協力をお願いしました。会議中、獣医師としての視点からいくつかの質問や意見をいただき、大変有意義な時間となりました。