2012年

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私たちが取り組むネコ対策のきっかけとなった出来事。母島南崎で最初に捕獲されたネコ「マイケル」をモデルに描かれた『島ネコ マイケルの大引っ越し』の絵本(環境省発行)が、今年の春増刷されました。初版は島内全戸に配布し事業周知を図ったり、ネコ受け入れ先の東京都獣医師会に所属する動物病院に配布しました。事業が継続されるなか、もっともっと多くの人にこの取り組みを知ってほしいという思いから、今回は小笠原を訪れた観光客の方にも配布することにしました。観光シーズンに入る7月からねこまちに案内板を設置し、希望者に環境省小笠原自然保護官事務所より郵送配布をしています。これまでに30名以上の希望があり、遠くは北海道札幌市、大分県別府市在住の方へも郵送しました。
絵本を希望されたみなさまから寄せられたメッセージの一部を紹介します。「生態系に関する地道な取り組みに頭が下がります。頑張ってください。」「小笠原の生態系が守られるよう頑張ってください。」「猫達を大切にしてくれる、とても良い取り組みだと思います。」「どちらをとるかではなく、両方がよりよく生きるためのよい取り組みだと思います。いつも人間の利益だけを優先しないように考えていきたいと思います。」

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毎年母島小学校5年生は、「総合的な学習の時間」を利用し、小笠原の動物や自然を守る活動について理解を深める学習を行っています。今年も事前学習を行ったうえで、南崎海鳥繁殖地のネコ侵入防止柵や営巣地の見学を行いました。この日偶然にも仕掛けていた捕獲カゴに、長期にわたり狙っていた黒ネコが捕獲されるという現場に子供たちが立ち会い、野生化し激しく威嚇するネコの捕獲現場を目撃したり、ネコの入った捕獲カゴを背負って搬送する体験まで行うことができました。リアルな体験に、より自然保護に対する意識が深まったと思います。

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今日父島を出港したおがさわら丸には、母島で捕獲された子ネコ3頭が乗船しました。2005年の事業開始から東京都獣医師会に受け入れをお願いした300頭目となりました。たくさんの動物病院のスタッフのみなさまと新しい飼い主さんのご協力、さらに搬送にご協力いただく小笠原海運のみなさま…大変多くの方々に支えられ、野生動物もネコも救う活動が継続できています。
今日の船内ペットルームへのネコの搬入は、夏季研修生と一緒に行いました。

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昨日入港のおがさわら丸で東京文京区にある『かねまき動物病院』からたくさんのキャットフードが届きました。箱の中には2010年6月に引き受けていただいた小笠原ネコの近況と写真も添えられていました。印牧先生には、これまでにも何度か送っていただいたのですが、今回はドライフードに加え、バラエティーに富んだウェットフードがたくさん入っていてネコたちも大喜び…早速おやつを一口ずつあげると、一気に食べきり、みんなそろって毛づくろいをしていました。いつもご支援ありがとうございます。

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今年も筑波大学大学院世界遺産専攻の学生10名が、自然保護演習として小笠原にやってきました。天気予報とは裏腹に朝から雨が降り続き、急遽会場を地域福祉センターに移して、「アカガシラカラスバトの保全とネコ対策」に関するレクチャーを研究員の佐々木が行いました。最新情報を交え、室内でゆっくり、じっくり講義を行い、ねこまちの見学に移る頃には空が晴れ渡りました。午後には東平アカガシラカラスバトサンクチュアリの見学も行ったようです。