2023年12月

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休暇上京したのを機に、11月30日多摩市の動物病院に搬送した子ネコに会ってきました。成長の悪かった黒ネコ;タンタンは、体調が優れず残念ながら12日に亡くなったと連絡を受けていましたが、ケンケンとトントンは生後5週間が過ぎ、体重も610gまで増え、カリカリ(ドライフード)を食べるまでに成長していました。母ネコの体調が優れず、生後4日で母子分離を選択したことに少し心を痛めていましたが、動物病院スタッフの愛情をいっぱい受けて、また動物病院に滞在する先輩小笠原ネコに面倒をみてもらいながら、兄弟2匹で寄り添って…じゃれあって…過ごし、順調に成長していました。

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9:44「躑躅山1-2. 柳生さん. とても暴れている. めちゃくちゃ嬉しい!」とLINEが入り、電話が鳴りました。追跡し続けた灰白ハチワレネコ「山名;柳生さん」を遂に捕獲することが出来ました。ネコ捕獲が進み低密度状態となっている父島では、センサーカメラに映るネコは黒色が多くなり、白毛が混じって個体識別可能なネコがかなり少なくなっています。そんな中、2022年11月コーヒー山で母ネコ•兄弟ネコと一緒に写って以降あちこちのセンサーカメラに写り、行動範囲の広いこのネコは最近の捕獲隊にとって、もっとも狙っていたネコでした。子ネコだった初撮影から1年…、捕獲時体重は3.80Kgとノネコ の中でもかなり大きく、驚きと喜びの捕獲となりました。

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アカガシラカラスバトとオガサワラカワラヒワの現状と保全状況を、島民や関係者とともに共有し考えるイベント『ヒワぽっぽの日』が、コロナ禍が明けて久しぶりに対面での開催となりました。前日、カワラヒワの生息地である母島で開催予定でしたが、海況不良によりははじま丸が欠航となりスタッフが移動できないため、1月18日に延期となりました。講演会は、まずあかぽっぽの生息数増加に伴う交通事故やバードストライクといった死亡事故の報告、続いてオガヒワ会から知名度アップのための活動報告、Islands care よりカワラヒワ生息地である母島属島での生態調査•モニタリング調査の報告が行われました。子供達の参加も多く、無料配布されたオガヒワ暮らしの情報本「あいうえオガヒワ」で理解を深めてくれることを期待しています。

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5日夜の母島会場

公益社団法人 東京都獣医師会の協力による今年度2回目の小笠原動物派遣診療が、3-6日に行われました。動物行動学を専門とする入交眞巳先生によるペットの飼い方に関する講演会や飼い主との個別相談が行われ、ノネコ捕獲に関しては行動学からみたアドバイスをいただき、参加者には大変有意義な時間となりました。

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上;3-4時間おきにねこまちに集まりミルク哺乳
下;左からケンケン・タンタン・トントン

11月19日夕方、ねこまちで3年ぶりに出産がありました。お母さんネコの美鈴ちゃんは出産経験があり、出産直後から甲斐甲斐しく面倒をみていて子育ては順調にいくかと思われましたが、出産から3日目の夕方、授乳やグルーミングで呼吸状態が悪化しているのが観察されました。一晩様子をみましたが状態の改善はなく、やむなく美鈴ちゃんは肺炎疑いで入院治療とし、子ネコ3匹のお世話を引き受けることになりました。さらに3匹のうちの黒ネコ;タンタンの成長は、2日目から兄弟に遅れをとっていて気がかりな状態でした。24時間体制3-4時間おきのミルク哺乳をひとりで担うことは困難で、急遽関係者に声をかけてミルクサポートチームを作り、日中から夜のはじめの哺乳を、それぞれの隙間時間で応援してもらい子ネコ育てを行いました。子ネコもスタッフもシリンジ哺乳に慣れるのに少し時間がかかり、哺乳量、温度管理、便秘…悩みながらの子ネコ育てが1週間続きましたが、プロのもとで育ててもらうのが最良と判断し、東京都獣医師会の協力を得て子ネコ3匹は30日父島出港便で動物病院に搬送しました。船内でも乗り合わせたスタッフや友人に応援してもらい24時間体制でミルク哺乳を続け、3匹元気に多摩市の動物病院に到着することができました。