最新情報

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上:中学校での講演
下:小学校でのふれあい教室

今年は動物診療と並行して、世界自然遺産地域小笠原諸島管理計画の次世代育成事業の一環として、小笠原小学校、小笠原中学校での獣医師による授業が行われました。小学1年生22名を対象に「チャボとの触れ合い」教室、中学校全校生徒49名を対象に「自然と愛玩動物の共生」をテーマに講演が行われました。講演を聴いた生徒たちから寄せられた感想の一部を紹介します。
・ネコは殺さないのに山羊は殺してしまう…そんなこと考えたこともなかったが、今回そのような問題を改めて考えてみたことで、父島の課題や人間と動物たちとの向き合いかたが分かったような気がする(1年)
・伴侶動物が人に与える影響がとても大きいことに驚きました(2年)
・小笠原に住んでいる外来種の話や狂犬病の話、伴侶動物の話を聞き、動物を飼うにはリスクを伴うけど、とても素晴らしいことだと思いました(3年)
・犬の命もヤギの命も猫の命も大きさは一緒だと思う(3年)

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本日入港のおがさわら丸で、動物診療の派遣団6名が到着しました。海況が悪く30分遅れの到着となりましたが、そのまま慌ただしくははじま丸に乗り換え、母島に向かいました。今年の動物派遣診療は「適正飼養の普及」をテーマに、これまで以上に飼い主さんとコミュニケーションをとりながら行われる予定です。29.30日は母島で、12月2〜5日まで父島で診療を行います。
また18日の読売新聞に、東京都獣医師会の小松泰史先生が『小笠原「幻のハト」保護へ、野良猫引っ越し作戦』というタイトルで紹介されました。この中には、今回の派遣団の先生方が行う小中学校での啓発活動も紹介されていました。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20121118-OYT1T00319.htm

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秋晴れのなか都立砧公園にて、公益社団法人東京都獣医師会世田谷支部と世田谷区主催の『世田谷区動物フェスティバル』が行われました。「小笠原ネコに関する連絡会議」もこのイベントに参加し、事業協力をいただく東京都獣医師会のテントで、小笠原のネコ対策の取り組みを紹介しました。パネル展示の他、あかぽっぽの着ぐるみの登場とマイケル絵本の配布を行いましたが、どちらも人気が高く、テント前には常に人だかりができ大盛況でした。小笠原での自然保護の取り組みを多くの人に伝える大変良い機会となりました。

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8月中旬、父島大神山公園大村中央地区でアカガシラカラスバトがネコに襲われて怪我をするトラブルが発生したことを受け、同じ事故を繰り返さないために現場周辺で暮らすノラネコをねこまちに保護収容しました。8月下旬からは、山域捕獲ネコと集落内のノラネコが多い時で9頭滞在し、久しぶりに賑やかなねこまちになりました。本来、東京都獣医師会には山域で暮らす馴化の必要なノネコを受け入れてもらっていましたが、今回の事態を説明し、集落内のノラネコも引き受けていただけることになりました。高齢期にはいったノラネコたちの受け入れ先を探してもらい、9月下旬から1頭ずつ搬送していきましたが、昨日の出港の船に最後のノラネコを乗せました。受け入れてくださった動物病院の先生方に感謝するとともに、送りだしたノラネコたちにも新しい環境で幸せに暮らしてほしいと心から願っています。
たくさんのネコが滞在中には、IBO研修生にもお世話を手伝ってもらいました。

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私たちが取り組むネコ対策のきっかけとなった出来事。母島南崎で最初に捕獲されたネコ「マイケル」をモデルに描かれた『島ネコ マイケルの大引っ越し』の絵本(環境省発行)が、今年の春増刷されました。初版は島内全戸に配布し事業周知を図ったり、ネコ受け入れ先の東京都獣医師会に所属する動物病院に配布しました。事業が継続されるなか、もっともっと多くの人にこの取り組みを知ってほしいという思いから、今回は小笠原を訪れた観光客の方にも配布することにしました。観光シーズンに入る7月からねこまちに案内板を設置し、希望者に環境省小笠原自然保護官事務所より郵送配布をしています。これまでに30名以上の希望があり、遠くは北海道札幌市、大分県別府市在住の方へも郵送しました。
絵本を希望されたみなさまから寄せられたメッセージの一部を紹介します。「生態系に関する地道な取り組みに頭が下がります。頑張ってください。」「小笠原の生態系が守られるよう頑張ってください。」「猫達を大切にしてくれる、とても良い取り組みだと思います。」「どちらをとるかではなく、両方がよりよく生きるためのよい取り組みだと思います。いつも人間の利益だけを優先しないように考えていきたいと思います。」