環境省スタッフの異動
昨年6月の世界自然遺産登録を前後する3年3ヶ月の任務を終え、環境省小笠原自然保護官事務所の首席保護官が異動となりました。ネコ対策では、父島東平のノヤギ・ネコ侵入防止柵の着手から完成まで、母島南崎でのノネコ捕獲の継続、父島ではノネコ捕獲を全山域に拡大するなど大きく事業が動きました。
島を離れるこの日は、時折霧雨が降る曇り空。花と植物で編んだレイを贈り、久しぶりにネコ耳をつけて見送りました。
昨年6月の世界自然遺産登録を前後する3年3ヶ月の任務を終え、環境省小笠原自然保護官事務所の首席保護官が異動となりました。ネコ対策では、父島東平のノヤギ・ネコ侵入防止柵の着手から完成まで、母島南崎でのノネコ捕獲の継続、父島ではノネコ捕獲を全山域に拡大するなど大きく事業が動きました。
島を離れるこの日は、時折霧雨が降る曇り空。花と植物で編んだレイを贈り、久しぶりにネコ耳をつけて見送りました。
今月に入り、父島母島集落周辺でアカガシラカラスバトの目撃が増えています。集落周辺でのハトが好む餌木の結実によるものですが、若鳥を含む複数羽が目撃されるなど、ネコ対策の進展とともにハトにとっても大変よい兆候がみられています。少しずつ進むネコ対策ですが、集落周辺にもまだまだ外を徘徊するネコがいます。集落周辺に姿を見せるアカガシラカラスバトやオガサワラオオコウモリなどの希少動物保全のために、第2ステージに入ったネコ対策をどう取り組んでいくのか、小笠原村母島支所もテレビ中継で参加しながら話し合いが行われました。
母島から船に乗って4頭のネコが到着
温暖な気候の小笠原では、ここ2年半の通年捕獲の経験からほぼ1年中繁殖が可能であることが感じられますが、やはり春に出産のピークがあるようです。山中では母ネコと別れ、兄弟同士もしくは単独生活がはじまったようで、今月に入り「ねこまち」には、続々と1Kg以下の子ネコがやってきています。これまでも父島山域から3頭の子ネコを捕獲収容しましたが、今日も母島から3頭の子ネコと1.7Kgのメスネコが搬送されてきました。小さくてとてもかわいいのですが、さすが山産まれ“シャー!”“シャー!”と一人前に威嚇してきます。
上:東平 ノヤギ・ネコ侵入防止柵と
アカガシラカラスバト注意の看板
父島東平では、希少な動植物を保護するためにノヤギ・ネコ侵入防止柵の設置が2009年から行われていましたが、5月下旬ようやく完成しました。山中に仕掛けているセンサーカメラに長期にわたって写り“難捕獲ネコ”リストにのっていたネコのなかで、この東平・柵周辺に生息が確認されていた2頭が昨日今日たて続けに捕獲されました。父島は捕獲低迷期だっただけに、捕獲隊も作戦部隊も大いに盛り上がりました。
捕獲されたうちの1頭は白地の三毛で、島で捕獲されたネコのなかでは初めてのオッドアイ(左右の虹彩色が異なる)のネコでした。乳首が少し目立っており、センサーカメラ写真の履歴をみると2月9日お腹の大きい姿が写っていました。近くに子ネコがいたのかな?
昨年4月、島で取り組むネコ対策の様子を特集で紹介した雑誌『ねこ春号』が発売されました。ひとりでも多くの観光客のみなさんにこの取り組みを知ってほしいという思いから、東京へのネコ搬送を無償で協力いただくおがさわら丸船内にも雑誌を置かせてもらっています。発売から1年以上が経ちましたが、Cデッキロビー片隅の書籍コーナーにたくさんの方に読んでいただいた形跡のある雑誌を見かけ大変嬉しく思いました。東京へ向かうこの日の夜も熱心に雑誌を読んでいる男性がいらっしゃいました。読み終えると「かわいいネコがたくさん載っていますよ。読みますか?」と私に勧めてくれました。