レスキュー

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生き抜け!

海鳥は、その名のごとく海とともに生きている鳥たちです。海の上を飛び回り、潜り、波の上で眠り、そんな彼らにも 卵を産み、ヒナを育てるために、陸地(島)が必要です。小笠原群島は、たくさんの海鳥が集います。そして、主な繁殖の季節によって、夏繁殖型、冬繁殖型と分かれます。アナドリは夏繁殖の代表種。8月初旬に卵から孵ったヒナは黒い毛玉のようです。防水性のない、ホワホワの綿毛に包まれたヒナは、生まれてすぐに、巣穴の中でひとりにされます。一羽で餌を運ぶ親鳥の帰りを待ちながら、ヒナはぐんぐん大きくなっていきます。少しづつ成鳥羽に生えかわり、最後に尾羽がのびたら巣立ちです。2ヶ月半、すでに季節は秋に入ります。毎年、台風シーズンと重なるこの時期の巣立ちに、うっかり不時着した巣立ち鳥。ガンバレヨと声をかけずにいられません。陸地ではか細く見える、足や翼、しかし、海の上の彼らは違います。たくましく、しなやかに、自在に青に溶けていきます。

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6月18日の入港日、出迎えの人たちが集まった二見港岸壁で、ははじま丸への通路沿いのライト足下に、ポンと鳥が落ちていました。飛翔しているそのままのきれいな姿。どなたかが見つけて置いてくれたのでしょうか?
少し褐色がかっているけれど「黒アジサシ」。額から頭部にかけて白灰色なので、遠目にはベレー帽をかぶったように見えます。
夏場に宮之浜や釣浜、小港など外洋に面した湾口でたまに見かけます。フォッフォッフォッと羽ばたいて横切ったり、岩場にポンと止まっていたり。
火山列島には「ヒメクロアジサシ」も繁殖しています。以前、硫黄島の墓参に参加したとき、監獄岩の周りで両種の混成群を観察することができました。
図鑑では「ヒメの方が黒み強い」となっていますが…一緒に混じって飛んでいると、ヒメの方が一回り小さく見えました。 落ちている鳥がいたら、ご連絡ください!!

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羽根の外側に白斑が目立つ

先の南硫黄調査で、調査隊員の上に次々と降ってきたのがこのクロウミツバメ。現在判明しているコロニーは世界中、他にありません!! 名前の通り、ツバメのような先割れの尾羽。シロハラより、アナドリよりゴツい額。この個体は56g、黒い鶏卵に脚が付いていると想像してください。しかも、水掻きは対サイズの割に大きい。その策餌の様子は船乗り曰く、「海の上を歩いて、魚をつかもうとしている」。シロハラは旋回しながら高度を上げ、進むべき方向を確認してす〜っと消えていきます。それに対し、クロアジサシはヒラヒラと湾内を旋回しながら海面から少し上がったり下がったり・・・海面すれすれで瀬戸へ出て行きました。
なお昨年も同時期、同とびうお桟橋でクロウミツバメが保護されています(2013/ 05/ 13,by OWA職員 Thnks!)。今回は、入港日に出発準備で忙しいDiving船スタッフが保護してくれました。ありがとうございます〜!皆さんも、お散歩がてらor帰り道にちょっと寄り道してみてください。そして万一、漂っている鳥がいたらご連絡を!!

鳥獣RESCUE&「あかぽっぽダイヤル」080-2035-807

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US機のようなプロポーションで、海面を走って離陸!!

小笠原では春と秋の2回、曇った夜空から鳥が降ってきます。秋はおなじみ、この海域でよく見られるオナガミズナギドリの巣立ち個体。一方の春は、繁殖のために島周りにやってきた親鳥たち(アオウミガメに重なりますね!)。種類はシロハラミズナギドリがメインですが、父島ではセグロミズナギドリが混じります。