レスキュー

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本日の周辺属島の海鳥調査において、オナガミズナギドリの巣立ち(モニタリング巣の全数)が確認されました。わずかな居残りの可能性はありますが、基本的に2012年シーズンのオナガミズナギドリの巣立ちは本日で完了と考えてOKです。 クリスマスイルミネーションのライトダウンや、不時着鳥の回収でご協力頂いた島のみなさま、本当にありがとうございました。オナガミズナギドリが運ぶ小笠原のクリスマス! ようやく到来です!!

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あまりにも見事なデザインパーマ、
もとい頭頂産毛

11月中旬より始まった、2012年のオナガミズナギドリの巣立ちは、9日,10日(おそらく明日まで)と続く、低気圧の通過にあわせてピークを迎えています。
クリスマスイルミネーションのライトダウンにご協力頂いている皆様、ご協力に心より感謝いたします。あともう少しだと思います。あと、もうちょびっと、どうぞよろしくお願いいたします。さあ、そんな巣立ちを象徴する(クチバシの届かない頭頂部に産毛を残した)巣立ち鳥が保護されました。車にも、ノラネコにもやられずに無事です。ライトダウン、ネコの室内飼養の悪戦苦闘、事故防止パトロール、来年は、それぞれの暮らしの中の努力にこたえる「オナガミズナギドリの巣立ち!!」のファンファーレ! 考えたいと思います。

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今年も来ました! オナガミズナギドリ巣立ち! 不時着鳥の発見、回収にご協力を!

オナガミズナギドリは、春に南方より飛来し、6月頃に産卵、7月末より8月初旬に孵化、丸4ヶ月の育雛をへて、11月末から12月中旬にかけて巣立ちを迎えます。南島や母島南崎のセンサスから、今年も巣立ちが始まったことが確認されました。すでに、父島、母島島内でも、不時着が出始めています。
父島、母島のみなさま、観光でいらしたみなさま、この時期には飲み会への行き帰り、夜のお散歩時など、足下、電灯下などにご注意ください!
なお、巣立ちは12月中旬頃まで続きますが、そろそろ始まる、本格的な冬型の気圧配置の時には要注意で、特に今晩24日は、低気圧の通過が見込まれることから、不時着のピークとなる可能性もあります。次の低気圧通過時も要注意です。荒天の差が激しい今年は、悪い時に、不時着が集中しそうな気配です。
ご存じのとおり、光に寄せられ有人島に不時着したミズナギドリたちは、本来は朝までに自力で海に戻っていくのですが(本来、不時着はたいした失敗ではない)、有人島では、ネコや車に遭遇して命を落とす 重大事になってしまいます。 このため、夜のうちに段ボール箱などに回収して、翌日放鳥するだけで、今年の巣立ちヒナの無駄な脱落を防ぐことができます。
ミズナギ発見時には、島内に掲示してあるチラシをご覧頂き、IBO(小笠原自然文化研究所事務所)までご連絡くださいませ。
なお、昨年より父島では小笠原ビジターセンター外灯(都)、港ガジュマル電飾(村)民宿クリスマス電飾(個人)などで、巣立ち時期の終了まで、点灯自粛の取り組みがなされています。母島でも、できるところで、消灯に協力してくださっています。嬉しいお話です。
また、小笠原支庁、東京都鳥獣保護員さんとIBOによるミスナギドリレスキュー講習会が父島で開催の予定です(11月27日夜及び12月上旬昼予定)。 今年で4年目となります。上記のメンバーによる夜間パトロールも実施しています!

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さぁ海へ

10月から続く珍鳥ラッシュ、今日は珍鳥放鳥dayとなりました。まずは、父島でオオミズナギドリと、ツツドリを放鳥。母島からは保護していたカイツブリ放鳥の連絡が入りました! オオミズナギドリは、伊豆諸島の御蔵島の集団繁殖地が有名ですが、東日本の沿岸離礁などに広く繁殖しています。おがさわら丸で東京から小笠原を目指すと、まずは東京湾内でユリカモメやらの各種カモメ類が舞い、外洋が近づく三浦海岸前あたりになると、ゴマ塩頭のオオミズナギドリのグライダー飛行が交じり始めます。とくに春から秋頃までの伊豆諸島沖は、たくさんのオオミズナギドリを見ることができます。一晩あけて小笠原諸島の近海で夜明けをむかえると、オオミズナギドリは姿を消して、すっかりミズナギドリの主役は、オナガミズナギドリに交代しています。両種ともに巣立ちをむかえるこの季節、南下する若鳥が不時着したのでしょう。

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保護時のツツドリ

カッコウや、ツツドリは、1〜3年に1度くらいの割合で、初夏に姿をみたり、声を聞いたりすることがあります。父島には北上の渡りの途中で立ち寄ったものと思われますが、青く明るい海をバックに「カッコウ」と聞くと、毎度びっくりしながらも、季節の便り(夏が近いと・・)をかんじるのです。だけれども・・・逆の季節、彼らが南へ下る季節には、両種ともあまり見たことがなかったので、少し珍しい気分になりました。車に衝突してしまったこの個体、時間がかかりましたが、なんとか野生復帰できました。さらに南の地へ、まだまだ試練が続きますが、比較的まれなこととは言え、ときどき渡り途中で、みかける鳥たちには頑張って欲しいものです。