レスキュー

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6月に入りメジロやオガサワラヒヨドリの保護が相次いでいます。はっきりしない天気が続いてはいますが、小笠原はもう梅雨明け時期、初夏なのです。メジロやヒヨドリの保護がこの時期に多いのは例年のことで、そのわけは、巣立ちの時期をむかえているからです。まだ、おぼつかない若鳥たち。巣から落ちたり、巣ごと落ちたり・・・・ハイビスカスの垣根から垣根へ、道路を横切るときに車にぶつかったり、平気で車道に降り立ち、街中のネコにちょっかいを出されるのもこの時期です。

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ガラス窓にのこる衝突痕

アカガシラカラスバトのバードストライクがおきました。残念ながらぶつかった個体は死亡しました。産まれて1年以内の若い鳥でした。山域のノネコ捕獲が進むなか、この3年ほど、これまでまったく見ることのできなかった、まだ頭の赤くない若鳥(クロポッポ)が、見られるようになりました。父島の山域での繁殖も確実に手応えのあるものになってきています。集落地域におけるガラス衝突、ネコ襲撃、交通事故は、もともと多くの野鳥が直面している問題でした。アカガシラカラスバトが増える ということは、沢山いる他の鳥と同じ脅威にさらされる確率も、また高くなる ということかもしれません。

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ガスは10〜15mまで降りてきていた。
父島じゅうすっぽり。あらゆるライトが乱反射して、
海からみたら巨大な発光クラゲか、UFOの母船だろう

水温があがりません。GWもずいぶんと冷たい小笠原の海だったようです。それでも少しばかり暖かくなってきたのでしょうか。まるで3月のようなガス陽気となりました。しかも、夜になって猛烈に。あたり一面、トワイライトゾーン(年がばれますナ・・・)。

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MAIKOUさんの野生的な
ヒラメキは素晴らしい

これは見回りだ! と車を出すと、冬の巣立ち時期にも精力的に不時着鳥回収の夜間パトロールに参加してくれたMAIKOUさんから、直感鋭く見つけた!との連絡。雨も降り出す中、セグロミズナギドリの激突現場に急行しました。

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電灯そのものに直撃した模様でした。
一番ぶつかりやすいのは、照明が
建物の白い壁をライトアップ
しているケース。激突範囲が
極大化するのです。

残念ながら即死。最近は省電力などの技術開発により、様変わりした「照明」。それはとても素晴らしいことなのだけれども、「地球(資源?)にやさしい」は 必ずしも「生き物にやさしい」かどうかはまだわかりません。省エネでメチャクチャ明るい照明に切り替わることで、小笠原での海鳥の不時着、激突はむしろ深刻化しています。