レスキュー

東京港野鳥公園ネイチャーセンターで、6月15日(木)〜7月2日(日) に写真資料・ポスター展示があります。写真、絵、造形物など、盛りだくさんな海鳥展示に触れてください。また、 エクスカーション「コアジサシ観察ツアー」や、対面&オンライン講演会も開催されます。ご興味のある方は、ぜひ足をお運びくださいませ。

https://albatrossday.org/events/

なお、今年は日本の絶滅危惧海鳥類について作成したリーフレットも配布しています。

当研究所の職員も写真提供や、テキスト記述で参加しています。

https://albatrossday.org/seabirds/

2023年の1月〜3月は、オオコウモリの餌不足が深刻でした。前年の10月〜12月に、度々の豪雨と、夏日のような晴天が繰り返された結果、例年であれば、ズルズルと長期間かけて、あちこちで結実してくれるガジュマルやシマグワが、一気に同調して12月頭に大結実してしまいました。また、前年4月の台風の影響か、熟さず(果肉を発達させないままに)落ちてしまうモモタマナも多く、特に母島では、年末年始に深刻な餌不足に突入し、農園での柑橘の葉食害が顕在化したのです。被害を防ぐために私も母島に通い、農家さん、農業関係者とともに夜のパトロールを続ける日々が続きました。そして、この写真です。これこそが待ちに待っていたビロウの花。この花がくれば、オオコウモリたちは花を求めて山に属島に戻ってゆくのです。小笠原では栽培種として導入されたビロウと、固有のメイジマビロウ、オガサワラビロウが自生していますが、3月下旬から、その順番通りに、次々と開花が始まり、嘘のようにオオコウモリの畑への飛来が止まったのです。春から初夏は、自生種の開花の季節です。サイザルアサ、モモタマナ、アレカヤシ、ヒメツバキ、タコノキ、テリハボク(タマナ)、リュウゼツランなどなど、次から次と花が続きます。導入されたヤシ科の花も花盛りです。これらの花のバトンが尽きる7月下旬までは、オオコウモリの食害を少し忘れて、ホッと出来る季節なのです。

以前、春はクロポッポ(アカガシラカラスバトの若鳥)にとって鬼門、と描きました。この春は特に事故が続いており、アカポッポネットワーク、オガヒワの会という いずれも絶滅回避の保全計画づくりワークショップをきっかけにスタートした両会のメンバー宛てにお便りをしました。以下に全文を転載します。長文になりますが、ご一読頂ければ嬉しいです。

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この冬から春は 沢山母島に通いました。沢山通うと、ははじま丸からザトウクジラをみたり、冬繁殖の海鳥を探したりするのも楽しいものでした。その一つが、皆既日食。船の上からは、曇り空もおつな感じで、味わい深くなりました。

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春を感じる海鳥が保護されました。クロウミツバメです。現在、世界中で、南硫黄島の山岳域でしか繁殖が確認されていない小笠原固有の海鳥です(海鳥は広い行動圏を持つので固有種は珍しい!!) 今は、夏繁殖のクロウミツバメの子育てがはじまる季節なのです。さて、話は飛びますが「ハリー・ポッター」では、魔法を学ぶマホウトコロが世界で11カ所あり、日本では唯一南硫黄島の山頂にあるとのこと。寮に入れない生徒はクロウミツバメの背中に乗って・・・?
https://harrypotter.fandom.com/ja/wiki/マホウトコロ
Thanks Hiroshi SATO