レスキュー

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交通事故にあったムナグロ

お隣の奥村グランドには、沢山のシギチドリ類がいた。衰弱している個体は、それだけネコや交通事故に遭う確率が高くなるだろう。

thanks MORIsan

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舌を抜かれたガーコ

昨日(10月28日)夕方、18時に父島二見港に入港予定というMissPAPAYA号から連絡が入りました。聟島列島の海上で弱っているような、様子のおかしいカツオドリを見つけ船に乗せたとこのこと。すでに暗くなったとびうお桟橋に駆けつけると、今年の巣立ち鳥♂が1羽。首の下に傷があるほかは、怪我もなく、翼力はあるものの、大変に痩せており影響失調状態でした。この時期、海上には今年産まれのYoungたちが、まだおぼつかない飛行で必死に魚を追っています。「こいつも、餌とりが下手で、ばてているところを、たまたま拾われたのだろうか、ラッキーなガーコだ」と思いながら、口の中を覗くと、舌がありません。正確には小さな根元の痕跡を残して切断されています。首回りの傷からも考えると、餌をとれない若鳥が、漁船の餌を狙って釣られてしまったのでしょう。魚と針は運良く外れたか、あるいは外してもらえたのでしょうが、その際に口内に大怪我を負った、と想像されました。カツオドリ本来の嘴の器用さを考えれば、嘴だけで魚をつかみ、飲み込むことも、訓練次第では可能になると思われます。
Wanted ムロアジ・イワシ・雑魚など

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頸部を負傷のオナガミズナギドリのヒナ

10月11日に、父島周辺(ひょうたん島)で、アイッパラ号により保護された海鳥が運び込まれました。今が繁殖期で、育雛まっさいちゅうのオナガミズナギドリのヒナですが、頸部の表皮がはぎ取られる重傷でした。まるで環状剥離された樹木のようで、頸から上の頭頂の皮膚は孤立してしまい、毛根までダメージがいってしまったのか、激しく脱毛して表皮は壊死寸前でした。オナガミズナギドリのヒナは、巣立つまで土中の巣穴を出ることなく暮らしています。親鳥が給餌に戻るのは主に夜間です。特に昼の間は、ヒナは「じっと」静かに巣の中で動きません。自ら巣穴を出ることが考えくいのです。そんなオナガミズナギドリのヒナが、昼間に海上を漂っており、しかも首には大きな傷がある。どうして、海上にいたのか? 負傷の原因は何か? 謎は深まります。
さて、その後深い後頸部皮膚の傷が化膿することもなく、感染症もいまのところでず、予想を覆して保護後16日目を越えて生存し続けています。頭頂の皮膚に至っては再生さえはじめており、綿毛も順調に抜けだして、お腹の下には白い羽毛も見え始めました。保護後も給餌以外には特別な処置はしていないので、その生命力には驚嘆します。

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仲間の元へ元気にこぎ出す放鳥時の姿

父島の集落地内の路上のわずかな水溜まりで、じっと動けないでいるオナガガモ♀が運ばれてきました。胸に肉はほとんどなく、長旅による極度の衰弱と思われます。この季節、小笠原には多くの渡り鳥が立ち寄ります。完全とは言えませんが、数日間の静養と栄養補給の後で、仲間数羽が滞在中の八瀬川に放鳥しました。

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発見されたムナグロの死体

父島北部で鳥の死体の連絡。広い芝地のへり、防風・防砂林のある陰で冬羽に換羽をはじめたばかり?のムナグロが死んでいました。身体に残る傷跡から、おそらく背中に一撃された後、胸筋を一口程度かじり獲られたものの、本格的に食べるには至らずそこで捨てられたそんなかんじでした。広い芝地やグランドの真ん中であれば、このような個体はでませんが、その外周部、とくに木や建物、丈の長い草など芝地とモザイク状になるところで、このようなケースがままあります。鳥の死角が増えるし、ネコもわかっているのでしょう。