レスキュー

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保護ゲージの中のゴイサギ

4月30日、父島北袋沢で動けないサギを保護したとの連絡がありました。行ってみるとゴイザギでした。白く長い飾り羽と、印象的な紅い虹彩のゴイサギでした。実は意外なほどにサギ類の飛来が多い小笠原諸島。ゴイサギも冬から春にかけて頻繁に見られる種類。昨冬からの当研究所に持ち込まれた件数もこれで4件目となりました。夕方に「グワッ、グワッ」と鳴きながら飛ぶため、島では「夜鴉(よがらす)」とも呼ばれています。

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体をチェック中のサシバ。
興奮と威嚇で口が開いている

2004 年4月24日朝、父島扇浦で猛禽類が保護されました。小笠原で唯一の猛禽類といえば、ご存知オガサワラノスリですが・・・・・保護されたその鳥は、夏鳥として日本本土を訪れる「渡りをする猛禽類 サシバ」でした。発見時には「屋外水槽(お風呂容器大)の中で溺れてグッタリしていた」とのこと。体中ビショビショで体温低下と、気嚢に水が入った可能性が心配されました。その後、当研究所でケアを開始。保温、乾燥により、今日、25日にはダンボールゲージの中で、体も乾いて少し力も戻ったようです。左翼の翼角に傷と出血がみられ、骨折はないものの、筋肉などの損傷が疑われるため、現在左翼を固定して安静中です。さて、このサシバの食べ物は、トカゲ、カエルなどの小動物です。水槽にもカエル目掛けて突っ込んだのかもしれません。そこで、再び! ナベヅル以来のアノール大募集です! お手周りのアノールをどんどん捕まえて宮之浜道の自然文化研究所までお願いします!

発見・一時保護THANKS: RAOのみなさん(父島扇浦)
レスキューアドバイザーTHANKS:福島県鳥獣保護センター(Dr.溝口)、YukaKATO
アノールTHANKS:MOMO&GYOUJI

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アルビノのヒナ

このオナガミズナギドリは、完全なアルビノ個体で、目も真っ赤でした。昨夏の「小笠原の自然を考える会(事務局:千葉勇人)」の南島カツオドリ調査の際に発見されました。残念ながらその後の消息は不明です。

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珍しい白いオガサワラヒヨドリ

たいへんたいへんのご無沙汰。申し訳ありません。
毎年、1月〜3月の時期は、当研究所のスタッフがそれぞれ取り組んでいるアホウドリ類、アカガシラカラスバト、オガサワラオオコウモリなどの野外調査がピークを迎えて大忙しになります。と、苦しい言い訳はここらへんにして、これから少しづつ、1〜3月間の情報をアップして、ゴールデンウィーク突入前までには、「今」に追いつきたいと思います。さて、さて、過去レスキュー情報up前に、まずは季刊誌i-Bo11号でお伝えした白いシリーズのアップからご紹介です。白いオナガミズナギドリと白いヒヨドリをご覧下さい(白いオオコウモリについては、本コーナーの過去ログ2003年11月をで御覧ください)。ヒヨドリは、完全な真っ白ではないものの、全体に白っぽくて、あちこちに うすーい茶色が混じっているかんじでした。興味深かったのは、白い袋、ハッポーなどなど、白いものの近くに寄る習性が見られたことです。

 悪天候による不時着と思われるシロハラミズナギドリが運ばれてきました。オナガミズナギドリの姿がぐんと少なくなるこの時期。入れかわるようにシロハラミズナギドりやオーストンウミツバメが姿を現します。特に1月から2月によく見られる(不時着個体も多い)のは、繁殖のための飛来期であると考えられますが、オナガミズナギドリと異なり小笠原における生態は、まだまだ不明です。この個体は怪我もなく天候回復を待って放鳥しました。オナガミズナギドリに比べると大変におとなしく、不時着後ネコにやられることもしばしばです。不時着すると建物の隅っこなどを求めて、よく狭いところに入り込みます。