レスキュー

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車にひかれたメジロ

最近、梅雨開け後に巣立ったメジロ、ヒヨドリをよく見かけます。尾が伸びきらず、体型も「丸っこく」、見るからにヒナという奴、見かけは成鳥と変わらないのに、ピーピー必死に鳴きながら親鳥を追いかけている奴。みんなまだまだ半人前(餌とりも飛ぶことも)で、ドジを踏みながら成長していく時期なのです。さて、この時期、実を付けているガジュマルやクワノキがあります。鳥にとって最高のレストランですが、同時に危険な場所にもなるのです。夢中になって、地面に落ちた実をついばむ時に悲劇は起こります。写真は、そんな時に車にひかれてしまったメジロです。また。レストランに入ろうと、低く低く道路を横切り飛ぶために車とぶつかる鳥もいます。道路近く、特に曲がり角にあるガジュマルなどは要注意です。鳥との交通事故は決まった場所で集中して発生することが多いのです。鳥の鳴き声や、路面の汚れで、「あ、いまこの木は実がなっていて、鳥が沢山集まっているな」と気付いたら、スピードを落として安全運転を!
※ガジュマル(の実)には、メジロ、ヒヨドリ、トラツグミ(実およびミミズ)、メグロ(母島)、アカガシラカラスバトなどがやってきます。特にアカガシラカラスバトが神出鬼没になる、夏から秋にかけては、町中や主要道路近くであっても注意が必要です。

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メジロ兄弟 放鳥前 写真撮影H.C

7月に保護され、一時父島でのリハビリの後、故郷母島へ戻り最終訓練中とお伝えしたメジロ兄弟ですが、先週無事母島で放鳥されたとの連絡がありました。すっかり羽根も生え揃い立派に成長した放鳥前の写真が送られてきました。心配された足の具合も良くなり、ともにそれぞれ右足に赤、青のリングをつけてヤブの中へ飛んでいったそうです。この兄弟の一時飼養・放鳥までは、母島・父島の多くの方々のご協力によりなされました。みなさんお疲れさまでした。自力での餌とりも覚えているので、怖いのはノラネコだけですが、なんとかたくましく生き抜いて欲しいものです。(リングメジロを目撃したら、当研究所までご連絡を!)

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「放鳥だ、さあ飛んで行け!」

メジロ兄弟と時をおなじくして、相次いで3羽のヒヨドリが運び込まれました(このうち1羽は以前このコーナーで写真で紹介)。今年は、メジロやヒヨドリなどで、梅雨の前後に2度のはっきりした繁殖が認められ、8月後半の今も、巣立ちヒナがあぶなっかしく飛ぶ姿を見たり、懸命な鳴き声を聞いたりします。当研究所に持ち込まれ、手続きをとって放鳥を目標に保護を開始した3羽のヒヨドリも、誤保護1(過去ログ「巣立ちヒナを見つけたら、どうする?」参照)、ネコに襲われているところ救助1、建物への激突1の内訳で、いすれも巣立ちヒナか、梅雨前に巣立ったと思われる若鳥でした。結果は、1羽が放鳥、1羽死亡、1羽行方不明(おそらくノラネコにより捕食)と厳しいものでした。今年はこれまでになくヒヨドリの巣立ちヒナを多く見るように思います。繁殖数、そして死亡するヒナの数も、もしかしたら多いのかもしれません。

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保護されたヒヨドリのヒナ

巣立ちヒナを見つけたら、どうする?
このヒヨドリのヒナは、巣から離れ道路に降りてしまい、通りがかった人に保護されました。現場は父島の主要道路でしたから、まだピョンピョン飛のヒナはそのままならば車にひかれて死んでいたでしょう。道路から拾い上げたことは、このヒナの命を救いました。けれど「親とはぐれたヒナ」と思われたために私たちのところに運ばれてきました(数日の保護の後、。私たちは、まず発見場所近くにヒナを戻し、遠くから双眼鏡で観察して親鳥が来るの待ちましたが、残念ながら親鳥は現れませんでした。ヒナが路上で拾われてから3日以上が過ぎていました。多くの鳥のヒナは成長すると、巣の外を出歩くようになります。満足に飛べず、好奇心いっぱいのこの時期は、命の危険が高いのですが、たいがいヒナの近くには親鳥がいて、エサを運んだり様子を見たりしているのです。では、たとえば、尾羽の伸びきらないヒナを道路上で見つけたらどうするか?!!
そんな時は、近くの木の枝など、安全なところにヒナを移して、素早くその場を離れてください。ヒナの安全のためにも、これが一番なのです。

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保護された当時のメジロのヒナ

8月に入りました。今、小笠原は陸鳥の巣立ち期を迎えています。今年は5〜6月にもメジロなどの巣立ちヒナが見られました。6月の梅雨を挟むように2度の繁殖があったのかもしれません。
今日の写真は先日母島の道路工事で親鳥が事故に巻き込まれたメジロのヒナです。保護時には、まだ羽毛はなく、頭、目、くちばしだけが大きい御覧のような姿でした。この2羽は当研究所で飼養依頼を受け2週間程度の父島リハビリ(足に不具合がありました)を行い、自然放鳥への目途がたった8月初旬に無事「ははじま丸」で母島に里帰りしました。現在ふるさとで最終野生復帰訓練中!?です。
◆道ばたなどに落ちている鳥の巣(使用済み)を見つけたら当研究所までご連絡下さい。レスキューに役立ちます!