2003年

Picture

ゲージの散策

コハクチョウは、その後も、ずっと継続的に自力で立ち続けることが出来るようになりました。目線や首の動きは小刻みになって随分と鳥らしさが戻ってきました。徐々にですが、背中の翼の位置も高くなってきました。そして、25日にはなんとゲージの中を歩き回り、脱走さえねらっているようなそぶり。強制給餌は続いていますが、体調は確実に上向きのようです。、

Picture

尾羽がないメジロ

ノラネコに尾羽を根ごと食いちぎられたメジロが運ばれてきました。バランスを失って反り返ってしまい、運び込まれたその日に死んでしまいました。
小笠原でのノラネコ問題はいろいろなことを考えさせられます。ネコ問題とは実は人の問題に他ならないと思います。人が居住する集落においては、責任と愛情をもったネコの飼養が必要ですし、そして山でのノラネコ化(捨て猫)は、なんとしても止めなくはなりません。ネコのためにも、他の動物のためにも、人のためにもです。

Picture

立ち上がったコハクチョウ

衰弱して立てない状態で、14日に父島で保護されたコハクチョウが、18日に自力で立ち上がりました。体重はまだ4kg以下ですが、自ら羽づくろいをするなど、行動に大きな変化が見られました、体温も上昇。状態が上向きの証拠です。まだまだ強制給餌が続いていますが、明るい兆しが見えてきました。
【このコハクチョウの保護は、小笠原自然文化研究所が、福島県鳥獣保護センターの指導、島嶼保健所の御協力を得て。野生復帰(内地)を目標に取り組んでいます。東京都一時飼養依頼受】

Picture

ごらんの通り白い翼です。

父島八瀬川で、おそらく切れて捨てられていた釣り糸&ルアーに絡まったサギが持ち込まれました。これが、なんとアカガシラサギ。主に中国大陸で繁殖し、日本では熊本県のみで繁殖確認されている珍しいサギです。小笠原で見られているどのサギよりも小さく、背は黒褐色ながら羽が白いのが目だちます(現在、冬羽)。この個体は絡まった釣り糸をほどき八瀬川で放鳥しました。とても元気だったので、今なら、川沿いを探せば木の上などに留まるアカガシラサギを見ることができるかもしれません。

Picture

ただいま保護飼養中

保護した時コハクチョウの体重は4kgを割っており(平均体重6kg)、回復の見込みは定かではありませんでした。現在。野生動物の救護&野生復帰に豊富な実績を持つ福島県鳥獣保護センターの全面協力を受けて当研究所で保護飼養中です(東京都一時飼養依頼受)。運良く快方に向かい、峠を越すことが出来たら、このコーナーで改めてご紹介します(その日が来ますように!)。
12月10日には、沖縄県久米島でオオハクチョウが保護されており、父島のコハクチョウも先の大型台風の影響が考えられます。


1 / 1812345...10...最後 »