2003年

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小港園地にて

「立てない白鳥がいる」という連絡を受け、父島八瀬川沿いの小港園地でコハクチョウ(成鳥)を保護しました。おそらく12月11日頃より父島東側の海岸付近で目撃情報のあった個体で、当初交通事故も考えられましたが、怪我はなく目下栄養失調等による衰弱と考えられます。
HELP ME :コハクチョウのレスキューのため「古新聞 と ぼろ布」を毎日たくさん使います。ご提供頂ける方は小笠原自然文化研究所事務所(宮之浜道2-3779)まで、是非ご協力お願いします。

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11月中旬より、しばらくのお休みでした。この間、レスキューがなかったのか?というとそうではありません。実はHPへのアップが出来ないくらいにレスキューがありすぎて、あぁ早く載せなくては・・・と思いつつ日が過ぎてしまいました。ごめんなさい。
さて、ようやく少し落ち着いてきたので、ボツボツと過ぎたことではありますが。ご紹介させて頂きます。
まずは、なんといってもオナガミズナギドリです。カツオドリの次に、と言って良いほど小笠原ではポピュラーな海鳥ですが、秋から冬へと移行するこの季節は、丁度この鳥の巣立ち期にあたります。そして、巣立った鳥の多くが、なぜか父島や母島の集落に不時着するのです。おそらくは人が住む島の人工照明に寄せられて迷い込むのであろうと考えられます。強い風がないと、地面からは容易に飛び立つことが出来ないミズナギドリたちは、たとえ不時着時に怪我がなくとも、放置するとノラネコや車にやられてしまうことが多く、積極的な保護・一時保管が必要です。
さて、暖かい日が続いた今年の巣立ちですが、天候の急変した11月19日の晩より始まりました。11月30日までに当研究所でレスキューしたオナガミズナギドリの数は17羽。今年の巣立ちピークはこのように11月後半でした。

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保護されたクロコシジロウミツバメ

11月29日、私が乗った父島発の「おがさわら丸」に1羽の海鳥が迷い込みました。日が暮れてまもなくで、まだまだ小笠原から200kmも離れていないあたり、デッキで乗客が見つけ案内所に保護されていたその海鳥は、なんとクロコシジロウミツバメでした。岩手県日出島、三貫島で繁殖し、小笠原海域では大変珍しい鳥です。大型台風の接近前ですでにけっこう時化ていたので、翌朝になってから三宅島沖で放鳥しました。

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体には白い毛が目立つ

一日様子を見たが、元気で問題はなさそうである。いつもの捕獲調査時の一連の作業(外部形態計測、内部識別標識挿入、DNAサンプル採取、などなど)を行う。驚くほど白色の体毛が多く、翼を除く体色が白く見える。これが、以前から欧米系島民・旧島民がいう「白いオオコウモリ」なのだろう。体サイズ、歯の摩耗度から考えても、この個体はかなりの年寄りである(雌なので大おばあ)。夕方捕獲した場所の近くで放獣する。飼育中に気づいていたのだが、噛む力はかなり強い個体なのだが、随分腕力がない点(例えば箱やゲージから出すとき、様々なところにツメを引っかけ引っ張るので、出すのは困難なのが普通だが、この個体は比較的楽だった)は、樹木に登らせてみると明らかで、とてもヨボヨボしていた。この状態ならば木から落ちたり、電線にぶつかって落ちるなと思われた。

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道路にぶら下がっているところ(わかるかな?)

久しぶりの休日、一本の電話。「オオコウモリが道路にいる!」
現場にいくと、道路にぶら下がる?オオコウモリ発見。以下の点により、緊急保護を行う。
・車通りが頻繁で、交通事故の危険がある。
・近くの民家で放し飼いにされている飼い猫、およびノネコによる捕食の危険がある。
・本日の天候は悪く、雨が降るとこの個体の逃げ場がない(近くに飛び立つために必要な樹木などが全くない)。
・外傷は見られないが、吻部より出血が少し見られ、内部損傷がある可能性がある。
と言うわけで、いつもの捕獲作業で使用する箱にいれて研究所に持ち帰り、1日様子を見ることにした。給水と給餌(バナナ、ミカン)を行うと、よく食べるので心配はなさそう。


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