2010年

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27日の朝、父島扇浦から「ふだん見かけない鳥を保護!」との連絡を受けました。緑色の特徴的な足、まだ幼鳥ですがバンでした。周辺からも情報があり、25日にやってきた台風12号通過後から、親子連れが目撃されているようです。1990年代から、同じような幼鳥がたびたび観察され、父島への定着が疑われている鳥です。しかし、これまでピヨピヨサイズの明らかに飛翔能力のないヒナの親子連れは目撃されていません。・・・・・やはり、台風や低気圧等で時々とばされて、あるいは渡ってくるのでしょうか。残念ながら保護鳥は28日に死亡しました。野生動物にとって台風は、厳しいハードルです。観察されている親子連れには生き残って欲しいものです。

Thanks Yukino&Nori-san12

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今年生まれの元気な鳥です

台風12号襲来のどたばたの中で、ガーコこと、カツオドリが父島で保護されました。まだ、お腹のあたりが暗褐色で、今年生まれの若鳥です。実は今年、小笠原諸島では、多くの島々でカツオドリの巣立ち数が少なかった可能性があります。原因はわからず、未だ調査中ですが、今年生まれの貴重なガーコ。天候が回復したら、生き抜けよ!と念じつつ、海へ帰すことといたしましょう。

Thanks 明老会 HAGAsan

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岐阜大ブースなどでは、かつてワイルドライフ
リハビリテーション研修(日本野生動物医学会)で
教えて頂いた淺野先生に大変お世話になりました。
ありがとうございました。

9月18日から岐阜大学で開かれた、日本野生生物保護学会、哺乳類学会の合同大会に参加してきました。保護学会では、以前このコーナーでもご紹介した、2008年1月に父島で開催したアカガシラカラスバト国際WSについての報告、哺乳類学会では、オガサワラオオコウモリや、山域におけるネコ対策についてのポスター発表をしました。また、写真のように会場にブースをおかりして、ハトWSのファイナルリポートの販売も行いました。内地の猛暑を恐れていましたが、ちょうど若干暑さもやわらいだ頃の上京となり、助かりました。小笠原から外に出るのは、なかなか大変ですが、他地域で、研究や保全活動に取り組む多くの方々とお会いできて良い刺激を頂きました。また、帰りには強行軍で、鳥学会の最終日も足をのばしました。上記3学会に、日本野生動物医学会を含めた野生動物関係の4学会が、毎年9月に開催されます。たいてい、バッティングしてしまい、小笠原かわざわざ上京する者にとっては残念に思います。今後の狭い我が国の生態系保全を考えると、学際的な交流が不可欠に思われます。

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観光のピークをすぎて、静かになった宮乃浜にて

7月下旬まで、驚くほど低かった海水温も徐々に上がり、8月に入って以降は、数日をのぞき、「あつぅ」と空を仰ぐ夏日が続いています。しかし、ニュースによれば、今年の内地の暑さは異常なようです。「暑かった・・・」と言って戻ってくる島民の姿がチラホラしはじめた今日この頃。いつものように小笠原の島々では夏繁殖の海鳥たちの「ふ化」が始まりました。昨晩、警察署付近に不時着し、保護されたこのオナガミズナギドリも、子育ての真っ最中かもしれません。幸いにも外傷もなく、その後のトラブル(ネコに襲われたり、車にひかれたり)にもあわなかったミズナギくんは、元気に海に戻っていきました。

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写真は北硫黄島

北硫黄調査から、帰ってすぐ。というか翌日のこと。北硫黄調査に行ったメンバーの半数以上が、おがさわら丸による硫黄3島クルーズに、解説スタッフとして乗り込みました。昨日「さよなら」したはずの、北硫黄を翌々日にまた眼前に見るのは、なんともクラクラするような体験でした。今回のクルーズは、これまでで始めての7月開催。夏繁殖の海鳥たちが乱れ飛び、過去最高!と思わせる素晴らしものになりました。


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