2023年

朝夕がすっかり涼しくなり、半袖、ビールもそろそろ終わりな季節となりました。
11月末ともなると、恒例のオナガミズナギドリの巣立ち時期となります。

例年は、11月後半の連休頃、ガッツリ最初の冬型の気圧配置が入って
冷たい雨風が吹きすぎる頃から、始まり、12月上・中旬頃まで続きます。

不時着数は、年々のオナガミズナギドリのヒナたちの成長具合、
天候、月に左右されてます。

今年は、一昨日(11月13日)が新月で、月末に向けて
月はどんどん太る(明るくなる)ので、少し安心しているところです。

さて、来週あたり、リアル天気図を見ながら、
「今年のオナガナギ・ラッシュ」について、海鳥予報を出します! ので
みなさま、夜道などでキョロキョロ、クンクンしていただければ嬉しいです。

さて、オナガ巣立ちカウントダウンがはじまった昨晩、
父島でオオミズナギドリが保護されました。
(オナガじゃなくて、オオ。オオは特徴的なゴマ塩頭で、一回り大きい)

伊豆諸島御蔵島など日本沿岸で繁殖するミズナギドリで
こちらも巣立ち時期をむかえています。

巣立ち時期や、春の飛来時期には
オナガミズナギドリとは比較にならない大集団が
切れ目ない群れとなり、延々と海上を進みます。

通常、小笠原群島からは 少しコースが離れているようですが、
父島や母島に接近する年もあり、このような年には海上目撃(群れ)と
不時着個体が相次ぎます。

そして、昨日の今日(保護の翌日)。
今朝のはは丸から、オオミズナギドリが観察されたようです。
今年は近いかもしれません。

これから両種、要注意です。

教えてもらった場所で、シメを観ました。器用にモクマオウの種子をつばんでいました。母島では、マヒワやイスカの情報もあったようです。大きなコハクチョウだけではなく、今年は小鳥類がいろいろ渡ってきているようです。

ハクチョウの情報は途絶えており、続編はありません。まだまだ暑い小笠原、体力のあるうちに北を目指してくれていると良いのですが。さて、夏繁殖の小型海鳥『アナドリ』の巣立ちがはじまりました。自動販売機の光、照明への衝突、ライトアップされた壁面などへの衝突、墜落が数件ありました。8月頭に孵化して、丸2ヶ月以上かけて巣立った今年の子供達です。ここ数日、夜お出かけの人は、ぜひ照明周り等やライトアップ気味の壁面したなどにご注意くださいませ。

なんと、母島と父島でともにハクチョウ類の飛来が確認されました(昨日)。母島では沖港内の前浜で、父島では小港海岸と二見湾内の前浜で、ともに3〜4羽の観察のようですが、同一の群れかどうか、わかりません。おそるべし台風15号。2家族、いや、もっと集団で流されてきてもおかしくないし、この感じだと、北方系の渡り鳥が他にいても不思議ではありません。さあ、父母ともに空や海岸、水系、ダム、グランドから目が放せなくなりました!! 写真は父島の前浜(夕方)の3羽。コハクチョウかな。  だとすると、2003年、2006年以来かな? このコーナーの「カテゴリー別一覧」から、「コハクチョウ2003」、「コハクチョウ2006」もご覧あれ〜

900hPa 最大瞬間風速85m/s の台風15号!? には肝を冷やしましたが、なんとか、外れてくれて、本当に良かったです。今回は長い文章で、台風と迷鳥の話です。

小笠原では、10月〜11月頃の低気圧通過後には、北方面からの迷鳥、珍鳥が出現する場合がありました。北海道や東北地方をスタート地点とするレース鳩が、大きくコースアウトして保護されるものこの時期が多いです。

今回、台風15号進路の西側では、反時計周りに強烈な巻き込みで、上空に北から南へ向かう高速風道路が出来た可能性があります。つまり、北海道や、東北地方の野鳥が、あるいは、もっと北から北海道に飛来途中の渡り鳥が、意図せず、この高速気流に吸い込まれて、一気に、南の海上まで到達しても不思議はありません。

なお、毎年の事ですが、今年も、つい昨日、北海道で鳥フルが発生しました。例年なら、国内で鳥フルが発生している最中に、リスク種と言われる大型鳥や渡り鳥たちなどが、小笠原界隈までうっかり? 南下したりするのは、11月後半〜12月頃、つまり冬のことです。

しかし、今回は、なんせスーパー台風です。北海道への飛行途中であったより北方系の渡り鳥たちが、巻き込まれて、一気に飛来する可能性も否定出来ません。
(アイボで保護してきた グンカンドリや、アカアシカツオドリなどの多くは、台風前後の事例です。東側の南から北への巻き込みと思われる)

そんなわけで、スーパー台風の落とし物。 波打ち際だけでなく、空も気にして頂ければうれしいです。迷鳥、珍鳥などみかけたら(また、死体は触らず)、ぜひ、アイボやら鳥獣保護員さんやら、環境関係の行政職員さんにご一報ください。


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