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今、生きている小笠原のこの鳥を
次の12世代に残さなければならいと思います。

2月に母島に行った際に、南部でオガサワラカワラヒワを見ました。アッツ!と思ったらモクマオ林の中で、一瞬木にとまり飛び去りました。種の保存法の希少野生鳥獣にも指定されている小笠原にしかいない陸鳥ですが、ここ数年、母島での目撃が「まさに激減」しています。その危機的状況は、アカガシラカラスバト以上かもしれないとも言われています。私自身、母島本島では久しぶりのご対面。嬉しさ半分、群れをつくるこの鳥が1羽でいたことが気にかかりました。

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箱からだすと、ジッと海を見たかと思うと、
向かい風を受けて飛んでいきました。

今回のお客さん(不時着鳥)はシロハラミズナギドリでした。幸い外傷もなく、無事に宮之浜から放鳥しました。前回、クロウミツバメをご紹介しましたが。実はこのシロハラミズナギドリも謎だらけです。繁殖情報は南北硫黄島を除くと、小笠原群島では唯一北之島で繁殖情報がありますが、ここ数年、同島の調査では確認できていましせん。毎年、父島・母島で不時着鳥が保護されるピークが2月〜5月、遅くとも、せいぜい8月頃まで。ここいらへんに鍵がありそうです。

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翼を閉じるとオーストンと見分けは付かない

小笠原群島界隈まで北上すると、よく似たオーストンウミツバメが繁殖しています。夏ともなると、独特の軽やかな海上飛翔を見ることができます。翼を開かない状態では、クロウミツバメとオーストンウミツバメとの判別は難しく、やはり飛翔中の白斑が唯一の目印になります。陸鳥でいうならば、ハハジマメグロと同じ、小笠原固有の海鳥ながら、その生態や現在の繁殖地などはまったく謎に包まれており、一刻もはやい本格的な調査が必要な種類です。保護鳥は無事に放鳥されました。

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翼の白斑が目印

「今年は小笠原も暖冬だ。」そんな声が聞こえていた2月は半ばすぎ、珍しいVIPが保護されました。クロウミツバメです。翼を伸ばした際に、羽軸の基部が白く見える(白斑とかスラッシュなどと言われる)ことが特徴です。海鳥としては大変に珍しい小笠原固有種です。これまでの繁殖地は南北硫黄島のみです。1990年代末に行われた北硫黄島における調査(山階鳥類研究所が約1ヶ月滞在)では、繁殖地が見つかりませんでした。この時に、外来哺乳類であるネズミ類が確認されたことから、繁殖地への影響が懸念されています。一方、南硫黄島では25年前の学術探検隊の入山以来、上陸がないため、現在の繁殖状況は不明です。

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プレイバックをへて、ようやく今年になりました。
毎年珍鳥が続くお正月ですが、今年は定番でした。暖冬にもかかわらず、数はすくないながら、やってきたのはオオセグロカモメでした。成鳥、若鳥にかかわらず、毎冬、父島や母島にはオオセグロ、セグロ、ウミネコなどが姿を見せます。そう言えば、年末から父島ではトンビにオジロワシも観察されています。オジロワシは以外な冬の小笠原の定番です。