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ケージ内で羽ばたくガーコ

はやいものです。もう、11月になってしまいました。父島は大神山神社例祭の真っ最中。今日は御輿が町をゆき、昨晩、一昨晩は奉納相撲が行われ、熱く盛り上がりました。さて、レスキューも思いがけず盛り上がっています? ガーコは強制給餌により、順調に体力を回復、ケージ内で羽ばたいたり、脱走を企てるようになりました。ただ、残念なことに昨日の時点では、やや大きめのムロアジを必死にくわえるものの、飲み込むことが出来ませんでした。今ひとつお腹いっぱいだったのか?もう少し観察が必要です。首負傷のオナガミズナギは、まだ生きています。傷は大きなかさぶた状になって、翼も次第に生えてきていますが、だいぶ成長が遅いようで、体重も軽いままです。今、奥村グランドにはムナグロやキョウジョシギがまとまって降りています。このムナグロも衰弱個体の持ち込みや、交通事故情報が3件続きました。渡りの過酷さを物語っています。さらに、1日の晩には、チュークリン(ねずみ捕り)にべったりとくっついてしまったイソヒヨドリ♀も搬入されました。粘着力は強力で右翼と尾羽のほとんどがダメになりました。さらに胸や喉もとのダウンもとれてしまい。スカスカ状態になりグッタリしていました。しかし、たいした生命力で、回復すると思っていたムナグロがあっさりと死んでしまったのに、こちらのイソヒヨは翌日には、止まり木にとまっていました。長くなりましたが、今日は写真だけでも続けてご紹介しましょう。

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舌を抜かれたガーコ

昨日(10月28日)夕方、18時に父島二見港に入港予定というMissPAPAYA号から連絡が入りました。聟島列島の海上で弱っているような、様子のおかしいカツオドリを見つけ船に乗せたとこのこと。すでに暗くなったとびうお桟橋に駆けつけると、今年の巣立ち鳥♂が1羽。首の下に傷があるほかは、怪我もなく、翼力はあるものの、大変に痩せており影響失調状態でした。この時期、海上には今年産まれのYoungたちが、まだおぼつかない飛行で必死に魚を追っています。「こいつも、餌とりが下手で、ばてているところを、たまたま拾われたのだろうか、ラッキーなガーコだ」と思いながら、口の中を覗くと、舌がありません。正確には小さな根元の痕跡を残して切断されています。首回りの傷からも考えると、餌をとれない若鳥が、漁船の餌を狙って釣られてしまったのでしょう。魚と針は運良く外れたか、あるいは外してもらえたのでしょうが、その際に口内に大怪我を負った、と想像されました。カツオドリ本来の嘴の器用さを考えれば、嘴だけで魚をつかみ、飲み込むことも、訓練次第では可能になると思われます。
Wanted ムロアジ・イワシ・雑魚など

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頸部を負傷のオナガミズナギドリのヒナ

10月11日に、父島周辺(ひょうたん島)で、アイッパラ号により保護された海鳥が運び込まれました。今が繁殖期で、育雛まっさいちゅうのオナガミズナギドリのヒナですが、頸部の表皮がはぎ取られる重傷でした。まるで環状剥離された樹木のようで、頸から上の頭頂の皮膚は孤立してしまい、毛根までダメージがいってしまったのか、激しく脱毛して表皮は壊死寸前でした。オナガミズナギドリのヒナは、巣立つまで土中の巣穴を出ることなく暮らしています。親鳥が給餌に戻るのは主に夜間です。特に昼の間は、ヒナは「じっと」静かに巣の中で動きません。自ら巣穴を出ることが考えくいのです。そんなオナガミズナギドリのヒナが、昼間に海上を漂っており、しかも首には大きな傷がある。どうして、海上にいたのか? 負傷の原因は何か? 謎は深まります。
さて、その後深い後頸部皮膚の傷が化膿することもなく、感染症もいまのところでず、予想を覆して保護後16日目を越えて生存し続けています。頭頂の皮膚に至っては再生さえはじめており、綿毛も順調に抜けだして、お腹の下には白い羽毛も見え始めました。保護後も給餌以外には特別な処置はしていないので、その生命力には驚嘆します。

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ハジロクロハラアジサシ(10/19撮影)

傷病ばかりでなくて、少しブレイク。母島で撮影したハジロクロハラアジサシです。旅の途中で立ち寄ったのでしょうか。父島のバードウォッチャーからも、同時期に複数の目撃情報が寄せられています。小笠原では、たまーに(数年に1度くらい)目撃されます。

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仲間の元へ元気にこぎ出す放鳥時の姿

父島の集落地内の路上のわずかな水溜まりで、じっと動けないでいるオナガガモ♀が運ばれてきました。胸に肉はほとんどなく、長旅による極度の衰弱と思われます。この季節、小笠原には多くの渡り鳥が立ち寄ります。完全とは言えませんが、数日間の静養と栄養補給の後で、仲間数羽が滞在中の八瀬川に放鳥しました。