最新情報

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こんなポスターが掲示されました

長期に渡るお休み、ゴメンナサイ。この間のWIDL Rescueまで中止していたのか? というと、そうではありません。例年通り、島を走り回っていましたが、なかなかHPへのアップがついていきませんでした。
さて、小笠原自然文化研究所(島での通称i-Boアイボ)では、この11・12月にはじめて、オナガミズナギドリの巣立ち時期の不時着個体の積極的な保護を呼びかけました。過去、10年ほどの小笠原父島の傷病鳥獣保護データを整理する中で、小笠原における野生動物の保護でもっとも多いのは、小笠原で繁殖する海鳥オナガミズナギドリであり、特に11,12月に集中すること、そしてこの時期は巣立ち期にあたっていることなどがわかってきたからです。今後は、このコーナーでも小笠原の傷病鳥獣保護のデータ蓄積から見えてきた、自然の姿なども時々紹介します。

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元気に飛び立つサシバ

5月10日、父島小港園地付近でサシバは無事放鳥されました。扇浦地区で保護されてから17日目、ラインフライト初訓練から5日目(訓練は4回)のことでした。朝ご飯のアノールの後、羽繕いのための水浴び(水かけ)を経て、お昼過ぎに放鳥されました。芝地から飛び立ったサシバは一番近い山の斜面の木に留まり、しばらくの間は興奮気味にあたりを見回しながら、自分の状況を確認しているようでした。同日の夕方には小港周辺の電柱にとまっている姿が確認されましたが、翌日からはどこかへ移動したようです。保護放鳥にご協力頂いた方々に感謝します。

アノールTHANKS:アイッパラ?号 WADA家、MOMO、OWA、BUN、ほか沢山の方々
保護・訓練THANKS:父島分遣隊、MARUHI、JyuJyu
Special THANKS:福島県鳥獣保護センター、RAO、Yuka.K、Hayato.C

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ラインフライトでの飛行訓練

5月5日、サシバの飛行訓練(リハビリ)を始めました。小笠原には傷病鳥獣に対処する施設がまったくないので、こういう時はとても大変なのですが、今回もいろいろな人の協力と、知恵に頼ってラインフライトという方法での野生復帰訓練を開始しました。
また、今年第1期?の、ヒヨドリの巣立ち雛があちこち出歩きはじめました。雛は巣を出ると、好奇心にまかせて、あちこち徘徊するようになりますが、その徘徊先でも、もうしばらくは親鳥に餌をもらい続けます。道ばたや、ネコの近くなどで「このままでは危険!」という雛を見つけたら、一番近くで安全と思われる木の枝などにのせて、その場を離れてみましょう。人がいると近づけない親鳥がどこかで、それを見ているはずです。

サシバTHANKS;マルヒ、アイッパラ?号 父島分遣隊、ふみじさん ほか沢山のみなさん
野生復帰訓練:技術アドバイス 福島県鳥獣保護センター

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負傷したクチバシのアップ

4月14日に父島西町で保護されたオナガミズナギドリは、嘴にひびがはいり出血で鼻腔がかたまり、苦しそうでした。幸い他に外傷はなく、1週間のケアの後で、ひびも固まり、血の固まりもきれいに抜けて野生復帰しました。オナガミズナギドリはこのコーナー常連の小笠原を代表する中型海鳥です。春先に南の海から小笠原まで子育てにやってくるのですが、日に日に強くなる日射しに、濃い霧が海や山にたちこめることが多いこの時期。父島や母島の人工照明によせられるように迷い込み建物に激突、負傷することが多いのです。このオナガミズナギドリも保護の状況からして外灯のある壁に頭から突っ込んだようです。

THANKS 小笠原GS

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保護ゲージの中のゴイサギ

4月30日、父島北袋沢で動けないサギを保護したとの連絡がありました。行ってみるとゴイザギでした。白く長い飾り羽と、印象的な紅い虹彩のゴイサギでした。実は意外なほどにサギ類の飛来が多い小笠原諸島。ゴイサギも冬から春にかけて頻繁に見られる種類。昨冬からの当研究所に持ち込まれた件数もこれで4件目となりました。夕方に「グワッ、グワッ」と鳴きながら飛ぶため、島では「夜鴉(よがらす)」とも呼ばれています。