2022年

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左;ネコは室内に… 右;ハトが庭にやってくる

2012年以降、初夏になると集落周辺に姿を見せるようになったアカガシラカラスバト。今年もあちらこちらからハトの目撃情報が届いています。小笠原では、野生動物が生息する山域と集落は隣接しており、家の庭にもエサを求めてやってきます。警戒心がかなり薄いハトは周囲の環境にあまり気を配ることなくエサを探し啄んでいます。このため、小笠原では昨年春に施行したペット条例の中で、『飼い主は、生態系に係る被害を未然に防止するために、飼養個体の特性に応じ、室内飼養又は飼養個体の逸走を防止するために必要な措置をとらなければならない』(第10条-2)と定め、ネコの室内飼養を推進しています。

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13日に父島三日月山で捕獲されたネコ「クレセント」が今日出港のおがさわら丸で東京に向かいました。このネコが東京都獣医師会に受け入れをお願いした1,000頭目となりました。長期にわたりご協力いただいた東京都獣医師会ならびに動物病院のスタッフの皆さま、小笠原ネコを新しい家族として迎え入れてくださった飼い主の皆さま、東京への搬送にご協力いただく小笠原海運株式会社の皆さま、小笠原でネコの室内飼養に取り組む飼い主の皆さま、ネコ目撃情報をお知らせいただく島民の皆さまなど、ネコプロジェクトにご協力いただく全ての皆さまに心より感謝いたします。

この間、アカガシラカラスバトの生息数は増加し、島民にとっても幻の鳥から身近な鳥となりました。母島南崎でもカツオドリの繁殖が再開しました。またオガサワラカワラヒワの保全対策も強化されています。未だネコの完全排除技術は確立されておらず、また限られた予算と人員での取り組みとなりますが、引き続きのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

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父島北部、集落に隣接する三日月山を主な生息エリアとするメスネコ「クレセント」。このネコをセンサーカメラで最初に確認したのは2017年1月で、追跡すること5年半。この間お腹が大きい姿や子猫と一緒にいるところなどを数回にわたって撮影されていて、北部山域の繁殖源で、時折集落にも姿を見せることがあり、スタッフの間では難捕獲ネコとして有名でした。5月30日に再び島民に目撃されていましたが、ついに…このビッグママが捕獲されました。捕獲作業にあたったスタッフは、実に10カ月ぶりのネコ捕獲となり、毛色模様を見ただけでクレセントと分かり興奮したようです。ねこまちでの島名は山名をそのまま使い「クレセント」。人と生活する新たな猫生の始まり…これからはゆったりと過ごして欲しいです。

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ねこまちに久しぶりにネコがやってきました。ノネコ捕獲は、父島では全島で、母島では集落を含む南部地域で行っていますが、継続的な捕獲により捕獲エリアでは半年くらい前からノネコの生息は低密度状態となっており、捕獲頭数がグッと減ってきています。ねこまちでは3月20日に母島ネコを東京に搬送して以後、休業状態が続いていましたが、19日に大人しいサビネコが、20日は元気に動き回る茶トラの子ネコが、どちらも父島躑躅山からやってきました。父島では3ヶ月ぶりのネコ捕獲となりました。

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小笠原ネコプロジェクトは、東京都獣医師会の多大なる協力を受けて行われています。この春から富士フィルムVETシステムズ株式会社が東京都獣医師会と連携して、動物病院で行われる保護猫の血液検査サービスをサポートしてくださることになりました。ご協力に心より感謝いたします。https://www.fujifilm.com/ffvs/ja/news/54