最新情報

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父島山中のノネコの生息は低密度状態を維持し、残り数頭となったネコの捕獲に苦労しています。ノネコの生息状況の確認は、80台を超えるセンサーカメラを使用していて、毎月月末に撮影データを回収し解析作業を行っています。この他に捕獲用のカゴ罠に撮影スポットを当て、仕掛けた餌に対する反応や他の小動物の動きを確認するためのセンサーカメラをいくつか仕掛け、適宜データをチェックしながら捕獲作業にあたっています。被毛に白い毛が混じって個体識別が可能なネコはもちろん、数頭レベルに追い込んだステージになると黒ネコでも尻尾の太さや長さ、出現エリアからおよその個体を判断することができ、その動きを追います。この冬は人の想像を超える距離の移動がわずか1日で確認されたこともありました。
今月も2日間かけてカメラデータの回収を行いましたが、その写真の中に、母ネコの後ろを追いかける小さな黒ネコ3匹のかわいらしい姿がありました。今年度1年間で捕獲できたノネコは5匹…。想定内の事象とはいえ、この写真を見つけた隊員たちは、しばらく意気消沈…したようです。この子ネコたちが繁殖に参加できる大きさになる前に捕獲できることを期待します。

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昼前、自転車で島内観光をしていた5人の学生がねこまちを訪ねてくれました。飼養室で作業をしていると「マイケルの絵本は置いてないのかなぁ…」という話声が聞こえたため、外に出て案内しました。山のツアーでノネコ捕獲事業の説明を受け、関心を持ったので…と立ち寄ってくれたようです。マイケル絵本を朗読し、私の説明にも耳を傾けてくれました。帰り際「4月からは就職ですか?」と聞いてみると「そうなんですよ…もう島に学生気分、全部置いていきます…」とちょっぴり寂しそうに話してくれました。小笠原でたくさんの思い出ができたでしょうか…。
また、お会いすることはできませんでしたが、マイケル絵本の郵送を希望された方の中に、こんなメッセージがありました。
・4月から獣医師になる身として、とても興味深く、自分もこのような活動に携わることができるように成長したいと思いました。島もネコも救う取り組みをこれからも続けていってほしいです。
・僕は獣医学生で、この取り組みにとても興味を持っています。大変だと思いますが、頑張って下さい。
この春もたくさんの学生が、ねこまちを訪れてくれています。

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2月22日は「猫と一緒に暮らせる幸せに感謝し、猫とともにこの喜びをかみしめる記念日を」という趣旨で1987年に制定された日本における猫の日です。「にゃん」「にゃん」「にゃん」の語呂合わせにちなんで決められたようです。
ねこ待合所のミッションは、【山で捕獲されたネコたちを安全に、そしてできるだけ元気な状態で東京の動物病院に届けること】です。捕獲された多くのネコが、はじめて出会う人間と環境に大変な恐怖を感じていますが、ストレスを最小限に抑えながら少しでも人に慣れてくれるように優しく接するよう心がけています。
ねこまちにやってきたネコは、最初に捕獲カゴの下から覗き込んでお尻を見て性別を確認します。飼養ケージに移すと、しばらくは奥で座り込み、じっーとこちらを警戒視して過ごしています。ケージの前に立つと、“シャー!シャー!”と激しく威嚇したり、ビビって立ち上がったり、固まって動かなくなってしまうネコもいます。サイズの小さなネコは、すぐからエサを食べることもありますが、野生味の強いネコは2-3日エサを口にしないこともあります。最初の変化は、給餌後すぐにエサを食べるようになることで現れます。警戒と食欲のバランスが逆転するようです。そのうち食後に毛づくろいするようになったり、前に出てきて室内の様子を眺めるようになってきます。“ごはんをくれる人”の認識ができるようになると、少しずつ威嚇が減って、そのうち肢を伸ばして横になったり、ねこじゃらしに反応するようになってきます。こういった変化は、3日・5日・1週間・10日・2週間というタイミングでみられ、ネコたちは、ねこまちで過ごす数日から数週間の間に、少しずつ警戒心を解き、人を受け入れてくれるようになっていきます。個体によっては、ほとんど警戒を緩めないネコや、反対に撫でることができるようになるネコもいて、性格や反応は千差万別。その変化を楽しみながら、体調を維持し、受け入れ先が決まったネコから東京に送り出しています。

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11日13時おがさわら丸に乗船

母島で捕獲された10頭目のネコが「ねこまち」にやってきたのは、おがさわら丸が出港した翌日5日の夕方でした。体重2.4Kgのメスネコでしたが、このネコも腹部がぽっこりと大きく妊娠が疑われました。次の父島出港便は11日、この間の1週間は”産れていないかな?”とヒヤヒヤしながら、朝「ねこまち」のドアを開ける毎日でした。
東京都獣医師会に優先搬送を依頼し、11日おがさわら丸に乗船しましたが、海上を発達中の低気圧が通過していて波が高く、翌12日の竹芝桟橋到着が19時30分と4時間も遅れる事態になりました。船の揺れが激しく、船内付添をしているスタッフは歩くこともままならず、ペットルームに行くことも大変だったようですが、幸い搬送中のネコは落ち着いた状態で過ごしエサも食べていたようです。夜遅い時間の到着に搬送と受け入れをしてくださったシー・アイ・シーならびに新宿動物病院のスタッフのみなさま、ありがとうございました。

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1月30日父島に到着したゆり丸  

母島でのノネコ捕獲は、父島のようにチームを組んで全域の捕獲にあたる体制がまだとれていません。今回の捕獲は先月16日から北部の西台・東台地域、25日から南部の南崎地域で集中捕獲が行われました。母島には本格的なネコ一時飼養施設がないため、父島−母島間の定期船の運航に合わせて、捕獲当日または翌日には父島に搬送しています。この時期、ははじま丸も定期点検に入っていたため、代船:ゆり丸がノネコを父島まで運んでくれました。今回の捕獲で10頭のネコが「ねこまち」にやってきました。